

1999年9月にOC(低用量ピル)が発売されてから10年が経過した。厚生労働科学研究の一環として2002・04・06・08年に実施した「男女の生活と意識に関する調査」によると、OCを「すでに使っている」割合は1.6%、1.9%、1.8%、3.0%とわずかながら上昇はしているものの、依然として低率であることに変わりはない。
しかし、4回にわたる本調査結果によれば、日本人女性のOCに対する評価は明らかに高まっている。OC服用に伴う満足度については、09年調査で96.7%が「満足している」と回答しているし、「OCを他の人に薦めたい」の割合は、03年の79.9%が09年には88.0%になるなど、OCの服用前に抱いていた不安がOCの服用をきっかけに解決するだけでなく、服用の満足度は高く、さらには他の人にも薦めたいほどの自信が生まれている。事実、09年調査で「OC服用前の不安」を尋ねると、63.9%が「副作用」を挙げるものの、「OC服用後の不満」としての「副作用」は12.5%と少なくなっていることからも明らかである。
OC服用のきっかけについても「確実な避妊」にとどまらず、「月経周期を安定させたかった」「月経痛を軽減したかった」「ニキビ・肌荒れを治したかった」などOCの避妊以外の利点への期待が年々増加している。OC服用を契機に生活上現れた変化としては、5割を超える女性が「月経の周期が安定し、仕事、旅行などスケジュールを組みやすくなった」「月経痛が軽くなり、仕事など生活が楽になった」などを挙げており、この10年間で、わが国の女性達の間でOCが女性のQOLを向上させる薬剤であるという認知度が確実に高まってきていることを物語っている。
新たに始まる10年に向けて、日本人女性のOCに対する意識がどのように変化していくか、目を離すことができない。 |
(社)日本家族計画協会常務理事・家族計画研究センター所長
集計・解析:北村 邦夫先生 |

OC(低用量ピル)情報センターでは、2003年より2年毎に、OC服用者を対象とした意識調査を行ってきた。今回はOC発売から10年という節目の年を迎え、2009年を含めた過去4回の調査について、北村邦夫先生にご協力をいただき、総合的な分析を行った。
2003〜2009年(隔年)のアンケート結果からは、服用の動機として「確実な避妊」のみならず「月経周期の安定や月経痛の軽減等の避妊以外の利点」を目的としてOCの服用を開始する女性が年々着実に増えてきていることが明らかとなった。さらに過去4回の調査とも、実際に約95%の女性がOCの服用に高い満足感を得ており、それが服用後の生活の変化にも表れていることが判明した。
こうした傾向から、女性のキャリア・人生設計上、重要なステージである妊娠・出産を考える際の確実な避妊法としてのOCの役割に対する理解が進み、さらに学校での勉学や、仕事、趣味、レジャー、ファッションといった女性の日常生活、社会生活に密接に関連する月経の問題を解決する手段として、OCを服用しようとする意識が浸透しつつあるものと考えられる。これらのことからOCは、現代女性の「人生設計」と「生活設計」の両方をサポートし、積極的なライフデザイン実現に貢献する、「ライフデザイン・ドラッグ」として活用されてきているといえる。
上記のような考察を証明するように、実際、この10年間でOC服用者数は着実に増加を続けてきた。今後これらの事実が正しく広まるにつれ、OCはより一層普及していくものと推察される。 |
OC情報センター・センター長、九州看護福祉大学・名誉学長
小林 拓郎先生 |

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